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点滴の適応

[2018.04.14]

当院では点滴をしています。このように書くと、「風邪をひいたから点滴をして早く治してくれ」という人があとをたたない。風邪には点滴の薬はきかない。このため、すべてお断りしている。

風邪や疲れには、ニンニク注射。このようにPRして点滴をうっているところもあるが、これはただのビタミン剤を入れているだけ。ビタミン剤を入れたからと言って、風邪にきくわけはないのだが、プラセボ効果でよくなったような感じがするだけ。患者数が少ないクリニックが、患者をよびこむための常套手段である。このようなニンニク注射をしているところは、薄毛の治療をしていたり、バイアグラの薬をだしていたり、患者をよびこむたみにはあらゆる治療を行っている。幸い当院は、耳鼻咽喉科と小児科の普通の患者をみるだけでも忙しいので、効果が薄いような治療をPRして行うほど、困ってはいない。

では、どんな患者に点滴治療がすぐれているのかと言えば、一番いいのは抗生物質の適応者である。急性扁桃炎などの細菌感染症は、軽度であれば内服薬でも治せるが、症状が重くなるとなかなかよくならない。このような患者には点滴で抗生物質を入れてやると非常によくなる。内服の抗生剤が効かないような患者や、もともと重症の患者の感染症には、点滴による抗生剤は著効する。

急性副鼻腔炎の場合にも、抗生剤の点滴をしたことがあるが、その治療成績はパッとしない。点滴しても、症状が改善したと言う印象がないのだ。副鼻腔炎の重症例では、その中に膿がたまっている。このような膿のたまりには、中の膿を出してしまうような方法が、重要なのであろう。これを出すのは痛みがとても強いので、どうしてもためらってしまうのだ。時間がたてば治る病気ではあるので、積極的に膿を出そうと言う治療には結びつかない。

点滴が必要かどうかは、ケースバイケースで判断している。効果があるのかないのか、その判断には高度な医学的な判断が必要である。「点滴してくれ」という受診はやめてくれるとありがたい。こちらの判断でどのような治療が、病気を治すのにはベストかを検討させてほしい。内服より点滴のほうが抗生剤は効くでしょう。それはもっともなのだが、針をさして薬を入れる点滴治療には、ショックなどの合併症の危険はかなり高いのだ。どうしても点滴でしか治せないような患者にしか、リスクをおってやる意味はない。

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