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医学部の縁故入試

[2018.12.13]

入試シーズンを間近に迎え、各医学部が続々と、不公平入試の謝罪をはじめている。東京医大に端をはっする不祥事だが、文科省の指導もあり、自ら謝罪にふみきったようだ。女性差別、多浪生差別までは、東京医大の発表通りである。ところが、縁故入学に関しては、今までどこも報道しないできたようだ。

日本大学が、入試不正の中に、日本大学出身の医者の子弟を優先する縁故入学をしていたと発表した。一連の入試報道の中で、これにふれたのは初めてではなかろうか。

親がその医学部出身の場合、そのOBであることで、子どもの入学がしやすくなることは、公然の秘密である。これは私立大学に限ったことだとは思うが、どこの私立の医学部でも同様のことが行われているであろうことは、関係者なら誰もが知っている。開業医の親は、自分の出身大学に、さまざまな権限を持つ。一つは、医学部の在り方についての口を出すOBもいるし、寄付金という形で金もだす。他の業種と違って、医学部の運営というのは、出身大学の医学部OBの意向を無視してはやれないところもある。OBの子弟を引き受けることで、今後の便宜も期待しているのだ。

もちろん、その親がその医学部の出身でなくても、入学はできる。しかし、その難易度は半端ない。親が同じ医学部出身の場合(つまりOBの場合)には、入学のハードルが一気に下がる。点数を操作しているのかどうかは知らないが、合格基準そのものをさげてしまっている可能性がある。このようなOB子息の入学がやさしいというのは、医学部受験生ならだれもが知っていることである。親の縁故もまったくない受験生は、自ら入試で好成績をとって入学するしかないのだ。もちろん、入試要項には、OB子弟を優先しますなどとは一切書かれていない。公然の秘密なのだ。

東京医大の発端は、官僚子弟の入学である。賄賂の形の入学だったのであろう。本来合格基準に達していなかったのかもしれないが、それが明るみになってしまったわけだ。医学部OB子弟を優先するということは、OBばかりではなく、有力者からの口添え受験生も入れている可能性もあり、そこには多額の金が動いている可能性もある。

私立大学である以上は、大学の好きなように運営するのはいいと思う。しかし、補助金などを国から受ければ、その移行に沿わなければならないのもしかたのないことだ。好きなように運営したいのであれば、国からの補助金をもらうのを断るべきであろう。

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