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骨粗しょう症の治療薬

[2018.08.08]

ビスフォスフォネート剤という骨粗しょう症の薬がある。高齢者が増えてくると、骨粗しょう症による骨折予防にとこの薬がだされることが多い。一方で、この薬が乳がんなどの治療にも使われている。

この薬を長期にわたり使っているお年寄りが多く、長期に用いると顎骨壊死を引き起こし大変なことになる。だいぶ前に、顎骨壊死のかなり進んだ患者が当院にきて、口腔外科で治療してもらった。長期に使うとこの副作用がでやすいのだが、薬を処方する内科や整形外科の医師はあまりしらないのだろうか。この薬を3年以上持続して使うと顎骨壊死の副作用が20%ぐらいでる。それにもかかわらず、骨粗しょう症を抑えるというデータはでていない。要するに、3年以内であれば効果があるけど、それ以上使うと副作用がでるが、効かないというジレンマに陥る。3年たったら中止しろということになっているそうだ。

3年以上使うことのまずさについては、あまり理解されていないようで、延々と出されている患者をみるけるのはそんなに難しいことではない。高齢による骨粗しょう症なんていくらでもいるからだ。3年以上服用したらやめること。もちろん、骨粗しょう症がよくなるわけではないので、一度出すと薬を止めるのが難しいのはわかる。しかし、長期に使えば使うほど、顎骨壊死の確率はあがるし、一度壊死になってしまうと、骨折したり、歯を失ったりする可能性も高くやっかいなのだ。

最近、歯の根元がむずむずするという人がいた。顎骨壊死を疑い、CTで確認した。はっきりした顎骨壊死はないものの、骨に一部異常を認めた。いろいろな理由から、ビスフォスフォネート剤は中止できないような気がするが、より慎重な投与が必要であろう。

 

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