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風邪と咽頭炎は区別しろ

[2018.03.21]

風邪と咽頭炎は区別するべき。

なるほどと思う意見です。風邪とは、ウイルス性の上気道炎のことであり、発熱、鼻汁、咽頭痛、咳などを伴うものをいう。

咽頭炎とは、咽頭の炎症であり、ウイルス性のものもあるし、細菌性のものもある。

つまり、風邪と診断できるのであれば抗生剤はいらないのだが、咽頭炎であれば抗生剤が必要になる場合もけっこうあるということだ。

僕自身の経験になるが、以前に風邪をひいたことがあった。僕自身は風邪のときにほとんど薬を飲まない。熱は一日で下がったのだが、のどの痛みがなかなかよくならない。風邪の経過をみようと、何も薬をのまずにじっと我慢していた。5日目になり、もう我慢ができなくなって抗生剤を服用した。翌日痛みがすっかりよくなった。おそらく、ウイルス性の風邪から細菌性咽頭炎を併発したために、咽頭の痛みがずっとよくならなかったのであろう。

小児科医が風邪と診断し、抗生剤なしの風邪薬だけ出されていた患者をみる機会があった。発熱3日目。熱がさがらないので受診した幼児だ。鼓膜をチェックするが中耳炎はない。咽頭の粘膜をみると、扁桃炎はなさそうだが、かなり咽頭の粘膜の発赤はめだつ。当初はインフルエンザなのかなと思っていたが、咽頭の粘膜をみて考えがかわった。溶連菌、アデノの可能性を考えた。しかし、最近はあまりアデノの流行は聞かないので、溶連菌迅速検査を施行した。これが陽性。抗生剤処方し、おそらく明日には熱が下がるであろうと説明した。細菌性咽頭炎だったようだ。

熱がでていたらなんでも抗生剤をだす医者もいる。このような医者であれば最初から抗生剤を処方し、きっとすぐによくなっていたはずだ。抗生剤がだされなかったことが、熱が長引く原因になったことは間違いない。今年の4月から風邪に抗生剤を出さないと、診察料が高くなる制度が導入される。風邪ならいつでも抗生剤をだしていた医者が、今度は風邪なら何が何でも抗生剤を使わないケースが多くなることだろう。これにより、細菌感染の見落としも増えてくるに違いない。

風邪と咽頭炎、似て非なるものなり。

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