大人の麻疹ワクチン接種
テレビの報道で、麻疹のワクチンを打てと、繰り返して流されている。ある意味正しく、ある意味では困ったものだとその報道を聞いている。
大人が麻疹ワクチンをうつのは望ましいのだが、全国の大人が麻疹のワクチンを打つようになると、とたんに子供にうつための麻疹ワクチンが底をついてしまうのだ。すでに、5月に入ってから麻疹ワクチンの出荷調整が入っている。すでに流通しているワクチンが底をつきはじめているのだ。
内科のようにもともと麻疹ワクチンを子供にうっていないところは、入ってくるなりバンバン打ってしまうことだろう。ところが、当院のように小児の麻疹ワクチンを打っているところはけっこう問題になる。小児に打つ分のワクチンがなくなることがないように、大人へのワクチンを接種しなければならないからだ。
このため、大人のワクチン接種を制限するために、いくつかのハードルをもうけさせていただきます。
1)麻疹抗体検査
抗体検査をして、基準値を上回っている人に関しては、ワクチンをうつ必要性はありません。低い値の場合のみ、当院で接種します。当院で抗体検査を行い、接種が必要な場合は、その場でも接種します。
2)価格の上昇
他院の患者が当院に流れ込むのを防ぐために、わざとワクチンの価格をあげさせていただきました。ただし、当院に普段から受診している患者さんには、もともとの値段、1万円で接種いたします(そうでない場合は、15000円です)。高いと思われて他のクリニックに行く方はそのようにしてください。あくまでも当院では、子供への麻疹ワクチン接種を第一優先に考えます。
ワクチン行政の不備より、たびたびワクチンの一時的な不足が起こっています。当院では常に先読みし、子供へのワクチン接種が滞ることのないように努力しています。今までワクチンが底をつき、困ったことはありません。当院にかかっているお子様にはなにがなんでも、接種をしなければならないというのが責務だと思うからです。「ワクチンがなくなったからもう打てません」というのは無責任で、必要なワクチンは切らすことがないように手配するのが、大切だと思います。そのための、今回の措置ですから、ご容赦ください。