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起立性調節障害

[2018.07.01]

ここ1か月で二人の起立性調節障害の子供がきた。めまいや、朝の体調不良などを主訴に、耳鼻咽喉科の外来を受診した。症状よりまず起立性調節障害を疑い、シェロングテストでその診断を確たるものにした。

問題はその後である。親御さんとしては脳腫瘍のような器質性疾患でもあるのではないかと受診するのである。それが、起立性調節障害だという機能性疾患だとわかり、まあ風邪のようなものとでも思っているのかもしれない。その二人を、この病気に詳しいと思われる医師のもとを受診するように説明するが、二人とも受診していないようなのだ。きわめて甘くみているのであろう。

実はこの病気、対応をミスるとけっこう長引くのである。治癒するまで数年かかることもまれではなく、朝の体調不良から学校に行けなくなり、不登校になる理由としてとても多いのだ。薬の治療も含めて、けっこうやっかいな病気なのである。

ここまではわかるのであるが、実際の治療は小児科医に任せようと、紹介するのであるが、器質的な病気でないということで、すっかり安心してしまうのであろう。やっかいな病気だから、紹介するのではあるが、なかなか理解されないようである。

二人とも早期に診断しているのであるが、かえってそれがよくないのかもしれない。親の病気に対する見方が甘くなってしまうのだ。病気の原因がわからないとさんざん病院を転々とし、それから診断されると、親のありがたさも違うのであろうが、すぐに見抜いてしまうものはしかたない。せっかく早くみつけても、早期治療に結び付かないのであれば、残念なことである。

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