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大人の鼻出血

[2018.05.17]

最近、立て続けに鼻出血の患者が受診する。そのほとんどが、鼻の入り口部分の鼻中隔からの出血である。ここはキーゼルバッハ部位とよび、血管が豊富なところで、また鼻のいじりやすいところでもある。このため、ここに血管が露出し、そこからの出血が多い。太い血管からの出血であれば、電気で焼いてしまえば、もうほとんどでなくなる。

病院勤務の時には、年寄りの鼻出血が多かった。救急車でやってくる。このような鼻血のほとんどが後方からの出血である。出血点が簡単にはわからない。このため、とめるのにも一苦労である。埼玉の病院で週に1回は当直していた。埼玉というところは、救急病院の医者が自分の専門以外は断ることが多い。耳鼻科の医者で当直をしているところは少ないので、とにかく鼻出血がよく受診する。当直をしているときには、たいてい一人はとまらない鼻出血が遠方からやってくる。埼玉全域から来ているかのようにも思う。ときには一晩で二人来ることすらある。

高齢者の鼻出血は、ワーファリンなどの血がとまらなくなる薬(血がサラサラになる薬)を飲んでいる率が高い。このため、たいした出血でなくても、なかなか止まらない。けっこうやっかいなものである。

開業すると、鼻出血の対応は本当にやさしい。多くが入り口からの出血だからだ。こんなにちょっと焼いたらそれで終わり。技術もなにもない。週に一人ぐらいは、そのような鼻出血患者がきている。勤務医のころに比べると、難易度低いなと思ってしまう。

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