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子どもの急性中耳炎

[2017.11.22]

「RSウイルスはこわいよ。重症の気管支炎や肺炎になるよ。」

このように言われたら、RSウイルスは怖いものと思うでしょう。これは低年齢児の話しなのです。幼児以上になれば、ただの鼻水がでる風邪程度で、全然怖くはありません。ただ、このような話がネットで流れたり、素人が耳にすると、RSウイルスがたちが悪いものと、このようなうわさは広がっていきます。大切なのは年齢によってその怖さが全然違うのですが、それが省略されてしまうのか、あるいは知らないんですね。

「急性中耳炎は自然に治癒するから抗生剤はいらない。」

このような言い方をする小児科医もけっこういます。ただし、これにも条件が付きます。幼児ぐらいで軽症の場合には、ほとんど治癒するのです。重症のケースや、乳児(3歳未満)の場合は、自然治癒は期待できません。もっと悪化する可能性のほうが高いのです。「急性中耳炎に抗生剤はいらない。」と言っている医者は、年齢によって状況は違うということを知らないか、あるいはネットか本で書かれたことの受け売りでしょう。

抗生剤が必要か、必要でないかは、その子供をみたときの医者の判断によると思います。

耳が痛いと午前中に受診し、鼓膜も赤くないし中耳炎の可能性が低いと抗生剤を出さなかった幼児がいました。その後も痛みが持続すると夕方に受診したのです。そのときは、非常に重症の中耳炎になっていました。「急性中耳炎は軽いから治る」とは言えないのです。たしかに軽ければ自然治癒の可能性は高いです。しかし一方で、急激に菌が増えて悪化して重症化する子供もいます。一概に、抗生剤を出さなくていいとは決めつけられないのです。

 

 

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