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非特異的IgE

[2017.11.18]

今日はかなり専門的な話です。わからない人は無視しておいてください。

アレルギーの採血検査をするとき、非特異的IgEと特異的IgE(RAST)などの検査をします。両者は何が違うのかと言うと、前者はアレルギーの強さ、後者はスギ、ダニなどの項目別アレルギーの程度をみています。ほとんどの医療機関では、両方を同時に調べることが多いのだと思います。

ところが、両方同時に検査をすると、非特異的IgEのほうが、保険で削られることが多いのです。これは、東京の国保連合会の審査の話で、社会保険のほうは大丈夫です。

保険を認めない理由としては、まず非特異的IgEを検査し、アレルギーがあると確認してから改めてスギ、ダニなど項目別に調べろということのようです。

僕自身が、東京保険医協会の中で、保険をはねられたケースが妥当かどうかを判断する、保険審査の委員会をしています。あまりにも非特異的IgEが削られるケースが多いので、あらためて東京の国保連合団体に文句を言おうということになりました。

そもそも、非特異的IgEがあがっていないから、アレルギーがないとは言い切れない。これが反論する理由です。当院ですでに検査をした患者さんを調べてみると、非特異的IgEが上がっていないのに、特異的IgE(RAST)が上がっているケースはいくらでもあります。非特異的IgEの値の低値をもって、アレルギーがないとは限らないのです。そのようなケースのデータを何人分もつけて、国保連合会に申しいれすることになりました。

保険の審査というのは、一方的に削ってくる。医学的に妥当であっても、医学をしらない先方が、ままならないと削ってくる。文句を言わなければ向こうが正しいと言う欠席裁判のようなところがあって、地道に反論していかなければならないのです。そのような委員会のメンバーとしても働いています。

 

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