鼻水がとまらない(最高アクセスブログ)
アメブロに何年間にわたってブログを書いてきました。今年の10月から、ホームページ上にブログを引っ越した。過去のアメブロの記事をみると、一番アクセス数が多かったのが、このブログです。再度そのままのせておきます。
風邪を引いた後、鼻水や咳がとまらないということは非常に多いのです。1週間ぐらいならまだしも、薬をもらっているのにもかかわらず、2週間も、3週間も持続する場合には、疑問がでてくることでしょう。今日は、予告どおりに、とまらない子どもの鼻汁に関して書いていきます。
鼻汁がとまらないのには、二つ理由があると思っています。
一つはアレルギー性鼻炎がひどいときです。
鼻汁がでているのだから、医者としても最低一つはアレルギーをおさえる薬を出していることでしょう。この薬がよわすぎるために、おさまらないのです。その場合には、2つ以上の薬を併用することもあります。一つ薬をのめばかならずとまるというものではありません。鼻の症状がひどければ複数の薬を組み合わせて使います。医者によっては、鼻水をとめる薬は一つしか使ってはいけないと思い込んでいる人もあるようです。
それと、もう一つ大切なのは、ダニ、ハウスダストなどのアレルギーは通年性で、一年中薬が手放せないという場合もあります。鼻症状は軽くなることはあっても、治ることはなかなか期待できません。鼻汁が長引く場合は、アレルギーの血液検査で確認をとっておくほうがいいでしょう。
二つ目の理由は、細菌感染がからんでいるときです。
特に風邪のあと鼻汁がとまらないときにはよくあります。風邪をきっかけに抗生剤がでていても、すぐにとめてしまったために治らなかったケースと、耐性菌のために薬が効かなくてなおらないケースがあります。小児科の先生は、鼻の入り口にでている鼻汁が水のようだと、細菌感染はないものと判断しがちです。ところが、入り口は水っぱなでも、鼻の奥にどろっとした青っぱながたまっているケースはよく見かけます。
その判断は、お母さんに聞いてみます。青い痰がでる、朝だけ黄色い濃い鼻汁がでる。そのような場合は、奥で細菌の感染が起っています。また、診察でも確認ができます。まず、のどの粘膜をみると、そこにどろっとした膿性の鼻汁がくっついていることもよくあります。そしてもっと大切なのは、鼻汁を吸い出すことです。当院ではだいたい毎回、鼻汁を吸い出して判断をしています。鼻汁を吸ってすっきりさせるという目的もありますが、医者の目で鼻汁を確認するのが次の目的です。小児科医の場合、鼻汁を吸わない、あるいは吸い出すとしても、看護師まかせで自分の目でみないという場合も多いのです。自分の目で見なければわからないんですよ。小学生ぐらいになると、自分で鼻をかめるので、診察前に鼻をかんでしまうことがあります。「診察前には鼻をかまないで。」とお願いしています。どんな鼻がでているのか、わかりづらくなるからです。
鼻汁がとまらず他院で3週間ぐらい内服を続けている赤ちゃんが来ました。鼻汁がよくならないために、お母さんもまいってしまっていたようです。耳もみると、急性中耳炎も合併しています。そこで抗生剤を処方しました。結局1週間ほどの内服で鼻汁もぴったりとまり、中耳炎も完治しました。これで通院も終了になりました。このようなケースがあるのです。もちろん、自宅で鼻を吸う。この指導にかなり力を入れています。市販の鼻吸い器を使うように指導していますが、どうしてもよくならない場合は、モーターがついた本格的器械の購入もすすめています。当院では業者からの卸値そのままに販売している(この販売による利益は求めていません)ので、かなり安いと思います。それでも1万6000円以上します。高いからどうしてもためらってしまうというお母さんには、器械の予備があれば、数日間の貸し出しを行っています。借りていったお母さんは気に入って、買っていくことが多いようです。小さな子どもの場合、まだまだ何回でも使いますから、長い目でみれば安い買い物だと思います。