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専門医の役割

[2018.03.26]

スギ花粉症は耳鼻咽喉科が専門である。これに異を唱える人はほとんどいないことだろう。もちろん、目の症状に関しては眼科の医者のほうが詳しいし、皮膚のかゆみに関しては皮膚科の医者のほうが詳しい。しかし、スギ花粉症全般に詳しいのは耳鼻科の医者であろう。

では内科の医者がスギ花粉症はみれないのかといえば、そんなことはない。スギ花粉症の薬をもらうことはできる。スギ花粉症に限ればそんなに難しいことではない。しかし、他院の内科医にもらった薬をみると、いつも同じ薬がだされているようなことが多い。画一的に同じ薬をだしているのかもしれない。

僕自身はスギ花粉症の薬は使い分ける。眠気がでる、でないが基本だが、一日1回、2回。効き目が強い弱い。鼻閉に強い薬。薬の併用も。粉、錠剤、溶ける薬。だいたい20種類ぐらいの薬を使い分ける。頻繁にだす薬はあるが、患者さんの話を聞いて、特徴に応じた薬を選択していく。何度か処方を繰り返せば、その人に適した薬にたどりつけると思う。多くの薬の中から何がいいかを選んでいく。これが専門医の技量だと思う。

胃が悪いんです。こう患者さんに言われれば、とりあえず1~2個の薬はだせます。はっきり言って、その薬がその人にいいかどうかはわかりません。胃薬と言ってもいろいろな種類の薬があり、適切な診断をしたうえで、その人に適切な薬をだせるのは、消化器内科専門医の技量だと思いますが、僕にその技量を求められても難しいのです。ただ、ちょっと胃が痛いんですといわれたときは、間に合わせに薬はだせます。かといって、それですべて解決するとは思わないでください。よくならない場合には、消化器内科の専門医の受診をすすめます。もっといい薬を選び、うまい治療をしてくれると思います。

それぞれに専門性があるので、どこの医者でも同じだろうと考えないほうがいいでしょう。ただ、自分にぴったりの薬がすでに見つかり、症状が満足するものであるのなら、花粉症の薬を内科の医者にもらってもそれでいいと思います。間違いはないことだろう。

 

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