咳がとまらない
咳がとまらないという患者がたくさんいます。気管支が悪い場合、鼻が悪い場合、そして食道に問題がある場合。いくつかの理由があるのです。気管支が悪いと呼吸器科、鼻が悪いと耳鼻咽喉科、食道に問題があると消化器内科。それぞれについてみてもらう診療科が違ってきます。そして、すべてをよくわかっている医者はほとんどいないんですよ。
僕の場合は、この3つすべてみてしまいます。原因が一つでないこともけっこうあります。それらが、複雑にからみあって、咳がでるのです。ですから、一つの診療科だけではどうにもならないんですね。
ときに採血検査も必要ですし、胸部のレントゲン写真も必要です。それらをすべてできるところはまずないのです。このため、どこに行っても咳がおさまらないなんてことはごく普通にあります。
咳で夜眠れない。咳が1か月以上持続する。こんなものでも、1週間以内に咳をとめます。9割は治ると思います。
一日4~5人は咳がとまらないと受診してくる患者がいます。他で薬をもらっている患者も多いのです。たいていは抗生剤と咳止めが出さていてとまらないという感じです。咳止めも、抗生剤もどっちも必要ないことがほとんどです。
咳に咳止め、咳に抗生剤。この紋切り型の処方から逃れないと、咳はなかなかとまりません。