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上咽頭炎

[2018.06.14]

鼻の一番奥、のどの粘膜の一番上の部分を上咽頭と呼ぶ。この部位が風邪のときに炎症を起こしやすく、その炎症が慢性化している人もけっこういる。上咽頭に炎症があると、そこにドロッとした鼻汁のようなものがへばりつくことも多い。そのへばりついたものがはがれて、のどに落ちると副鼻腔炎が原因の後鼻漏と間違えられやすい。先日の患者は、「痰がでる」と言って、副鼻腔炎を疑われた。副鼻腔のレントゲン写真で異常がないから、副鼻腔炎はないと通院は終わりになったようだ。上咽頭炎でも、副鼻腔炎のときのような後鼻漏があるので、注意が必要である。

最近、注意しているのは逆流性食道炎である。高齢の人にはとても多い。胃液の逆流は上咽頭にまで及ぶことは知られており、胃液の逆流によると思われる上咽頭炎を何例か見つけた。このような患者には、上咽頭の治療ばかりではなく、胃液をおさえるような胃薬が必要になってくる。その併用で、上咽頭の痛みも改善してくる。

上咽頭の炎症はさまざまな体調不良の原因になると主張する医者もいる。その真偽は不明だが、上咽頭の炎症を治せば、けっこうその他の体調不良も治るのかもしれない。それが真実であるとは限らないが、上咽頭炎の治療ののち、さまざまな症状がよくなるのかどうかには注目している。

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