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うちの子、中耳炎になりやすいんです

[2018.03.19]

当院にずっと通っている母親たちから、「うちの子中耳炎になりやすいんです。だから、耳を見て下さい。」と言われることがよくあります。年が7歳ぐらいになった子供でも、そういわれるのです。そもそも、7歳ぐらいになれば、耳がおかしいかどうかは子供自身が言います。何も言わなければ問題がないのがほとんどです。あえて耳をチェックする必要はないのです。

うちの子供がなりやすいというよりも、子どもには中耳炎になりやすい年齢があるのです。それはおそらくどこの子でもそんなに差はありません。細菌に対する免疫力が弱い1~3歳ぐらいまでですね。これぐらいの年齢の場合、自分で耳がおかしいとは言わないのです。ですから、積極的に耳を見て、医者が中耳炎の有無を判断してあげる必要があるのです。

中耳炎になりやすい子供と、中耳炎になりづらい子供には、大きな違いがあります。これはぜひ覚えておいてください。

中耳炎になりやすい子供は、風邪をひくと耳鼻科に連れていかれる子供です。中耳炎になりづらい子供は、小児科に連れていかれる子供です。

1~3歳ぐらいの年齢って、風邪をひくたびに簡単に急性中耳炎にかかります。耳鼻科の医者はそれをよく見つけますが、小児科の医者(耳をみない)は、かなりの頻度で急性中耳炎を見逃します。親によって、いつも小児科に連れて行ったり、いつも耳鼻科に連れて行ったり、風邪のときの対応はけっこう決まっていますよね。ですから、中耳炎が見つかる頻度が全然ちがってくるわけです。

また、これぐらいの年齢は耳の穴が細くて、耳アカがたくさんたまっています。このため、これをとらないと中耳炎の有無は判断できません。耳をみる小児科の医師もけっこう増えてきていますが、耳アカをとらずに、鼓膜が診られるケースはとても少ないのです。まったく耳垢をとらずに、確認できることはごくわずかです。それを考えると、鼓膜が見えていないのに、急性中耳炎はないと言っている小児科医も多いのかもしれません。

うちの子、中耳炎になりやすいんです

ではなく、

うちの子、中耳炎を見つけられやすいんです

というのが本当のところでしょう。中耳炎も軽症であれば自然に治ることもありますし、風邪に抗生剤が処方され治ってしまうことも少なからずあります。きづかないうちに治ってしまっているのでしょう。

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