インフルエンザの診療
子どもが受診し、インフルエンザ迅速で陽性になり、インフルエンザとして診断した。それを聞いていた親が、私も数日前から風邪の症状があるので、内科を受診したほうがいいでしょうかと言い始めた。
うちのクリニックに来ているのに、なぜ今から内科に行くのかがよくわからない。
インフルエンザの患者はうちのクリニックのほうがよっぽどたくさん診ているだろうと思うのだが。
毎日10人以上は来ているとは思うが、全部で何人と言われても自信がないのでカルテを検索してみた。
今シーズンのおおまかな数字であるが、
- インフルエンザと診断した患者500人
- インフルエンザの疑いの患者500人
- インフルエンザワクチンをうった人1500人
こんな感じである。(耳鼻科、小児科あわせての数字)
インフルエンザの患者を多くみていると何がいいのかと言えば、多彩なバリエーションに気づくことだ。熱がでないという患者は本当にたくさんいる。典型的な症状であれば、どの医者でも診断できるが、非典型的な症状の患者を見抜くのは、それなりの経験が必要だ。そこらへんが難しい。何千人とインフルエンザの患者を診ても、毎年のように診断、治療には苦労する。迅速検査に陽性にでたからインフルエンザ、でないからインフルエンザではない。こんな簡単な判断でいいのなら、素人でもできる。状況をみて、ケースバイケースに対応するのは、医者の経験と診断能力が必要であろう。