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1週間以上長引く咳は風邪ではない

[2018.06.14]

風邪で咳がでることは誰もが知っていることでしょう。しかし、その咳が1週間たってもとまらないとすれば、それは風邪ではありません。風邪から何か別の病気にかわったと考えるべきです。風邪だと思っている限りは、その咳はよくならないことが多いのです。

一番多い原因は、咳喘息。風邪が咳喘息を引き起こします。アレルギー性鼻炎、花粉症などのもともと何らかのアレルギーを持っている人に多く起こります。子供のころなどに喘息と言われていた人も要注意です。大人になって風邪をひいたことをきっかけに再発することが多いのです。咳喘息の咳は、夜も眠れないぐらいひどい咳になることも多いのです。この状態を放置しておけば、苦しくて日常生活もままならないでしょう。このような患者が普通のクリニックに行くと、「風邪です」と言われて、抗生剤か咳止めがだされて、まったく治らないと当院を受診することがとても多いのです。咳喘息を疑う。そこからスタートしなければよくはなりません。

次に多いのは、副鼻腔炎。風邪のあとにとても多い病気である。受診する患者の多くが、痰がでるという言い方をしてくる。このような場合には実際にでてくるのは、痰ではなく、鼻汁の場合が多い。鼻汁がのどに落ちるのを痰がでてきたと言ってしまうわけだ。このような場合は、鼻をみさえすればすぐに診断ができる。

最後に見落とされがちなのが、逆流性食道炎。胃液の逆流により慢性的な咳の原因になる。風邪のあとに悪化したりはしないが、これら3つの咳の原因疾患が複雑にからんでくるので、とても注意が必要である。咳の原因は一つではない。このことを肝に銘じなければならない。

風邪であれば1週間もすれば咳がおさまる。それ以上続くようであれば、それは風邪ではなく、別の病気だろうという視点でみていかなければ、いつまでたっても咳はおさまらない。

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