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溶連菌迅速検査

[2017.12.13]

咽頭と扁桃の状態で、溶連菌の感染症を疑う。このような場合、迅速検査をすると、ほぼ確実に陽性になる。

しかし、注意が必要である。ときに、迅速検査で陰性になることもあるからだ。先日全身に発疹のある患者が来た。溶連菌だと思ったが、迅速検査では陰性だった。検査で陰性だったために、培養検査も実施した。培養の結果、溶連菌が検出された。迅速検査を信じ込んではならないという戒めのケースである。

溶連菌感染症の場合、抗生剤がとてもよく効く。抗生剤を飲めば治る。飲まなければ高熱、咽頭通に苦しむことになる。治療のよしあしで、患者の明暗がくっきりわかれれしまう。

医学書などをみれば、溶連菌でなければ抗生剤は不要だとはっきり書いてあるものがある。溶連菌感染かどうかの判断は、普通は迅速検査に頼らなければならない。しかし、上記のように、迅速検査で陰性。じゃあ、溶連菌ではないよねと抗生剤をださないのが普通であろう。迅速検査は絶対ではない。論文によっては、陽性率が8~9割と書いてある。裏返せば、1~2割は陰性にでてしまうということだ。インフルエンザと同様、検査にたよる診療は危ない。

診断と言うのは、診察をもとになされるものであるべきだ。もちろん検査を参考にするのも悪くはない。しかし、医者が今まで培ってきた経験を捨ててはならない。ベテランの医師であるならば、経験が検査に勝つからだ。検査にばかり頼るのが、未熟な証拠なのだ。とりあえず検査ではなく、検査をするときには診断の目安がついていなければならない。確認のために検査を活用するのだ。

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