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喘息治療

[2018.01.23]

当院には喘息の患者がたくさん受診する。喘息と言っても喘息発作を起こして受診するのではなく、ほとんどが咳を主訴にする咳喘息のたぐいである。どれぐらい受診しているのだろうかと思い、昨年12月のデータを調べてみた。ざっと見ると月に120人(小児除く)。一日4人ぐらいは診ている計算になる。毎日それぐらいの患者が、咳がひどくなって受診する。多くの場合は、咳喘息または喘息のからんだ気管支炎というところである。

当院で治らない場合には、呼吸器専門の医師に紹介し、そちらで診てもらうようにしている。治らないのにダラダラと治療をするのは患者さんに申し訳ないからだ。ただ、9割以上は2週間以内になんとかなっているという印象である。

喘息は内科が専門。もっともな意見である。うちに来る前に他の内科で治療をしているケースがとても多いのだ。その結果、咳がとまらないと当院を受診してくるのだ。近隣に呼吸器科専門の医師がいないことが当院に集まってくる理由になっているのであろう。当院で喘息として診断しても、元の内科医に戻すわけにもいかず、結局自分で治療をするようになってしまった。こちらから内科医にまわすときは、呼吸器内科の専門医に制限させてもらっている。

一方で、呼吸器内科医が喘息だと治療していて治らないと当院を受診するケースがときおりある。副鼻腔炎などの鼻疾患がからんでいるケースも否定はできないが、別の理由の場合が多い。最近では次のようなケースだった。

逆流性食道炎の合併。

喘息に逆流性食道炎を合併すると、喘息の治療だけしていてもよくならない。呼吸器内科の医師は、さすがに喘息はよく見抜く。その治療をしていてもよくならないのは、別の要因があるからであろう。呼吸器以外の疾患がある場合に、陥りやすいようだ。

心因性咳嗽と思われるケースもあった。心因性咳嗽そのものは頻度は少ないと思うが、難治性の咳嗽を見たら、思い浮かべなければならない病気であろう。

呼吸器専門ではない病気が、呼吸器内科医が見逃しやすい病気であろう。

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