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「風邪に抗生剤を出すな」と言われるけれど(1)

[2017.12.11]

「風邪に抗生剤を出すな」と言われるけれど。風邪と、非風邪の区別は簡単ではないよ。

今の風潮は、風邪に抗生剤をだすな。これを安倍総理が推進しているため、今後徹底されてくるようだ。しかし、風邪と風邪でない別の疾患との区別は実はとてもむずかしいのだ。風邪のようで風邪でない、風邪でないようで風邪。ちょっと見では、診断にあやまりがでる。そのようなケースを紹介していきたい。

数日前よりのどが痛いと受診した患者さん。痛みがでてから4日目ぐらい。扁桃の下のほうに口内炎がある。すでに口内炎はよくなっており、表面の白い色はうすまってきている。よく見ないと口内炎とは気づかない。なにかできているようだと思い、肉眼視から顕微鏡に切り替え覗いてみた。それにより口内炎であることがはっきり認識できた。

ヘルパンギーナが代表的だけど、口蓋垂(のどちんこ)の周囲の口内炎はときおりある。ご存じの通り、口内炎はかなりの痛みを生じる。食事もとれないぐらい痛いという場合も多い。「のどが痛い」というだけでなく、どれぐらいの痛みなのかを聞き出せれば、風邪ではなさそうだと疑うことができる。

上記の患者さんはかなり治りかかっている。抗生剤はださない。ださないどころか、何も薬はいらない。治りの程度より、あと1~2日で痛みはきれいに消えることだろう。

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