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インフルエンザ

インフルエンザは、以前は流行性感冒と呼ばれていました。もう少しやわらかい言葉に治すならば、「はやりの風邪」です。普通の風邪に比べると、感染力が強く、流行時期が限られている、それに発熱、全身倦怠感などの症状が重い。これがインフルエンザの特長です。インフルエンザウイルスの特定キットが普及することにより、インフルエンザウイルスと他の風邪との診断が明確にできるようになりました。

インフルエンザ熱型表:インフルエンザの熱型表はここよりダウンロードできます。

インフルエンザの主な症状

  • 高熱(38度以上が多い)
  • 全身倦怠感
  • 関節痛、腰痛
  • 咳、咽頭痛、鼻汁、頭痛

インフルエンザと他の風邪との区別方法

  全身倦怠感 咽頭痛 発症 流行 他の症状
インフルエンザ 38度以上 強い 弱い 突然 周囲の流行あり 関節痛、腰痛あり
風邪 37度台 弱い 強い 徐々に なし 関節痛、腰痛なし

一人一人の症状がピタッとくるものではありませんが、このような症状の違いに基づいて、インフルエンザか否かを判断しています。特に家族や学校、職場などでのインフルエンザ患者がいたかどうかはとても重要な情報です。インフルエンザ流行時期は、常に情報をしいれておいてください。

診断

診断は、医者がします。検査キットの結果をもって診断するのではありません。インフルエンザであっても、検査で陰性の場合は多数あります。臨床症状や流行の状況から、総合的に医者がインフルエンザかどうかを判断します。その判断材料の一つとして、迅速検査も行いますが、これは絶対ではありません。明らかにインフルエンザと判断できる場合は、検査を省略することもありえます。救急病院によっては、一切インフルエンザの検査をしないところすらあるのです。検査もしないでインフルエンザの診断ができるのかと疑問を呈する人がけっこういますが、院長の自分は検査の結果よりも自分の判断のほうがインフルエンザの診断率は高いと思っています。もちろん判断しずらい場合は、検査の結果にゆだねることもありますが、明らかにインフルエンザと判断できる場合は検査は不要と考えています。

症状の経過

無治療の場合、高熱4日間が通常です。1週間ほどで症状は落ち着きます。インフルエンザの薬を使っても、その期間を一日ぐらいしか短縮できないと言われています。必ずしも薬が必要ではありません。抗インフルエンザ薬を使うかどうかは医者と相談の上、決定します。

治療について

抗インフルエンザ薬を使用しない→その場合、普通の風邪薬、麻黄湯などの漢方薬、対症療法

抗インフルエンザ薬を使用する→イナビルなどの吸入薬、タミフルなどの内服薬、重症の場合にはラピアクタなどの点滴薬

治療に関しては上記の中から相談の上、処方することになります。ただし、10代の子供に関しては、異常行動が多いという理由から、タミフルの使用は控えるような通達が厚労省からでています。このため、10代の子供にはタミフルは原則処方しません。

登園・登校許可について

発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで(ただし、乳児や幼児は解熱後3日を経過するまで)足立区登園許可書

これが一般的な基準です。いつ発熱したのか、いつ解熱したのかが登園する上でとても大切になりますから、当院で作っているインフルエンザ熱型表をダウンロードしてご利用ください。受診時にもお渡しします。

また、仕事復帰に関しても、上記に準ずるのがいいとは思いますが、会社については明確な出社基準はありません。各会社にご確認ください。高齢者とふれあうような仕事(介護病院関係)の場合は、安全を配慮し、長めに休むことが多いようです。それぞれの職場で判断基準は違うと思います。

重要な二つのポイント

インフルエンザ検査は来たときにすぐに行います

「発症後6時間は検査をやっても陽性にならない。」このように信じている医者がけっこういます。このため検査が翌日にまわされてしまいます。実際に検査をやってみると、発熱後1時間でも陽性になることは多いのです。また当院では富士フィルムが開発した、早期にでも陽性にでるインフルエンザ検査機器(富士ドライケム)を導入していますので、受診したその日に検査をします。もしでなければ、翌日もう一度検査をします。初日に検査で陽性になれば、他の人への感染を防げることと、薬がききやすいということより、一日でも早く診断することが大切だと思っています。

軽症のインフルエンザ患者はたくさんいる

インフルエンザというのは、38度以上の熱がでるものだと医学書にはよく書いてあります。しかし、まだ熱ができっていない37度ぐらいで受診する場合もあります。このような場合であっても、検査で陽性になることはいくらでもいます。いつの時点で患者をみているかがとても重要になります。また、インフルエンザ患者の経過をみていても、38度行かずにおさまってしまう人もいます。どう見てもインフルエンザではないだろうと思われる人の中には、検査によってインフルエンザ感染が証明できる人もたくさんいるのです。このような人たちを軽症インフルエンザと呼んでいます。毎年50人ぐらいは微熱のインフルエンザ患者を見つけますし、37℃にすら達しない患者すら見つけることがあるのです。患者自身もインフルエンザとはまったく思わずに学校、会社に行っている場合も多く、このような軽症インフルエンザがけっこういるので、インフルエンザの流行は防げないのです。

インフルエンザは命を落とす病気です。多くの人は自然に治りますが、インフルエンザ脳症などで亡くなる人がいます。インフルエンザの薬では治せません。重症化しないためには、ワクチン接種だけが唯一の方法だと思ってください。

インフルエンザの異常行動に注意

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