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顔面神経麻痺

顔面神経麻痺の多くは、耳鼻咽喉科でみる。これはあまり知られていない。目が閉じないからと眼科に行ったり、神経麻痺だからと脳外科に行ったりする人も多い。最終的には耳鼻咽喉科で治療にあたることが多いのである。患者さんは最初から麻痺がおこったと気づくわけではなく、目が閉じない、水が口から漏れるという訴えで、受診することが多い。わりと緊急を要する病気である。

顔面神経麻痺には次の2つの頻度が多い。Bell麻痺(ベルまひ)とRamsay Hunt症候群である。

Bell麻痺

顔面神経麻痺の80%ぐらいを占めると言われている。ウイルスによる顔面神経の炎症が主原因と考えられている。早期にステロイドによる治療を開始するとほぼ治る。軽いものは外来で、重症の麻痺は入院しての治療をお勧めしている。特に若い女性の場合には、麻痺が残る可能性が極力減らせるように、入院での治療をすすめている。女子医大東医療センター耳鼻咽喉科の金子医師が、数少ない顔面神経麻痺の専門家であるため、そちらに紹介するようにしている。

Ramsay Hunt症候群(ラムゼイハント症候群、あるいはハント症候群)

帯状疱疹ウイルス(Herpes Zoster)による顔面神経麻痺である。子供のころに水ぼうそうにかかる。そのときの水ぼうそうのウイルスが体の中に潜んでいて、年をとってから活発化し顔面神経麻痺を引き起こす。その治療には早期にステロイドと抗ウイルス薬の投与が必要になる。Bell麻痺の比べると治癒率が低いため、入院での加療をすすめている。

他に外傷性のものや、脳腫瘍によるものなどもあるが、顔面神経の麻痺だけで受診するケースは極めてまれである。

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