急性喉頭蓋炎
急性喉頭蓋炎ほど恐れられている病気はない。見落としたために窒息し、医療訴訟になっているケースもある。何をもって疑うかといえば、強いのどの痛みである。食事ができないぐらいのどが痛くなり、かつ扁桃炎などの所見がない場合にはまず疑ってほしい。診断には、耳鼻科医は喉頭ファイバーを用いる。これですぐに一発診断できる。とにかく、喉頭蓋を直接見ることだ。
2枚目の写真が、喉頭蓋の正常像。最初の写真が、急性喉頭蓋炎の喉頭蓋がはれている写真。このように喉頭蓋がはれてくると、急激な窒息になる可能性がある。急性喉頭蓋炎は即入院して管理すると理解している耳鼻科医も多いと思う。
当院では、高度な喉頭蓋の腫脹は別にしても、中等度ぐらいまでの腫れであれば、外来点滴で治してしまいます。腫れがひどくなってこなければの話ですけど。
自分が勤めていた病院に、耳鼻科の外来で順番を待っている間に喉頭蓋がはれて、窒息してしまった患者が、植物状態でいました。待合室で窒息する可能性もあるので、息苦しそうな顔をしている患者がいたら、なによりも優先してみなければなりません。このトリアージがとても大切なのです。医者は診察で忙しいので、受付スタッフか看護師がその兆候に気づかないとだめですね。