反復性耳下腺炎
反復性耳下腺炎は、小学生ぐらいに多い。名前の通り、耳下腺炎を繰り返す病気である。この病気のやっかいなところは、耳の下の耳下腺が腫れるので、すぐにおたふくかぜ(ムンプス)と言われて学校を休まなければならないことである。ここに、ムンプスと反復性耳下腺炎の違いを表にまとめてみる
ムンプス | 反復性耳下腺炎 | |
原因 | ムンプスウイルス | よくわからず |
年齢 | 決まっていないが子供に多い | 小学生に多い |
発熱 | あり | なし |
病側 | 両側 | 片側のみ |
腫脹期間 | 1週間ぐらい | 1~2日 |
周囲の流行 | あり | なし |
治療法 | なし | 抗生剤をだすことあり |
エコー | 耳下腺が全体的に腫脹 | 内部に多発性円形状所見 |
抗体検査 | IgM陽性 | IgM陰性 |
登園・登校 | 1週間ほど禁止 | 登園・登校OK |
合併症 | 難聴、睾丸炎、髄膜炎 | 特になし |
予防法 | ワクチン | なし |
おおよその目安です。見極めるのに採血検査が一番確実ですが、結果がでるまで数日かかるのと、ムンプスワクチンを打っているケースでは判定が難しいのです。このため、当院では積極的にエコーを使うようにしています。エコーで診断がつけば、学校を休まなくてもよくなるからです。これらをもとに総合的に判断します。
反復性耳下腺炎というのは、小児科の医師で知らない人がけっこうあるようで、耳下腺がはれるたびに、ムンプスだから休めと言われてしまいます。しかも、何度も言われるので、注意が必要です。反復性耳下腺炎であれば、人にうつさないので、休む必要がないからです。