咳がとまらない
咳がとまらないという患者はたくさん受診します。近医で薬をもらっていたが、一向にとまらないと受診するのです。前のところでなんと言われていたかと聞くと、「風邪と言われた。」と言って、咳止めと抗生剤がだされていることがほとんどです。何回も通っても、胸のレントゲン写真すら、とっていないのには驚かされます。咳がとまらないのは風邪だと思い込んでいるのです。実際に長期にわたり、咳がとまらない場合には次のような病気を疑います。それらの確認が必要になります。
- 咳喘息(気管支喘息)
- 慢性副鼻腔炎による後鼻漏
- 逆流性食道炎(胃食道逆流症)
- 百日咳
- マイコプラズマ肺炎
- クラミジア肺炎
- 結核
個々の疾患については、後ほど別項目で書きたいとは思いますが、喘息には、呼気NO検査で容易に診断がつきます。当院で実施できます。副鼻腔炎による後鼻漏に関しては、CTやレントゲンなどよりも副鼻腔ファイバーが優れています。これも当院ですぐ検査できます。逆流性食道炎も、喉頭ファイバーでだいたい診断できます。百日咳やその他の肺感染症に関しては、胸部レントゲン写真、聴診、採血検査などで判断します。上記が代表的な咳が長引く代表的病気ですが、これらをすべて網羅できないと、咳をみるには中途半端と言わざるをえません。