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高齢者の百日咳

[2017.12.12]

1か月ぐらい咳がとまらないと当院を受診した患者がいた。うちにくるまでにいくつかの医療機関を受診し薬をもらっていたが、よくならないため当院を受診したらしい。自分自身も原因がわからないので、血液検査をしたのだが、その後受診し亡くなってしまった。

1年以上たって、当院を受診した。以前の検査の結果の伝票が残っていた。本人はその後受診せず、検査の結果を聞きに来なかったようだ。結果を見ると、百日咳の抗体がすごくあがっている。明らかに百日咳である。臨床経過もまさしくぴったりだ。なぜその後来なくなったのかを聞いてみた。「あなたのような高齢者は百日咳はありえない。」と検査の結果が出る前に、他の内科のクリニックで言われたらしい。その後さらに大病院も受診して薬をもらったら、咳はおさまってしまい、そのままになってしまったようだ。症状がよくなればどうでもいいことではあるが、自分が言ったことが信じてもらえないのはつらいことだ。なんかむなしくなってくる。

長引くひどい咳。その原因として、百日咳はおさえておかなければならない。NO測定し、咳喘息ばかり主張しているように思うかもしれないが、実はけっこう百日咳を見つける。NOが上がってこないものに関しては、喘息が否定的になってくるので、そのような場合は積極的に百日咳を調べているからである。

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