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薬剤性鼻炎

[2018.05.29]

市販の点鼻薬には、血管収縮剤というのが入っていることが多い。この薬が鼻の粘膜の血管を収縮させ、鼻粘膜の腫れがおさまる。一時的に風邪で鼻閉がよくならないというときにはいいのだが、この薬には困った問題がある。長期に使うと、この薬の副作用で鼻閉感が持続するのだ。自分で市販薬の点鼻薬を買いまくっている人に多い。一時的に鼻閉に効果があるので、ずっと使い続けるのだ。長い人になると、10年もの間使い続けている人もいる。薬を中止しない限りは鼻閉はおさまらない。

薬の説明書には、長期にわたって使用しないようにと書いてあるはずだが、ほとんどの人がそんなものは読まない。この結果使い続けることになる。先日二人も連続でこの患者がきた。しかも一人は、鼻がつまるということで、他の耳鼻科で薬をもらっていた。その薬を飲んでもよくならないと当院を受診した。アレルギー性鼻炎のようなのに、アレルギーの内服薬でよくならないので、なぜなんだろうと疑問に思っていたら、この点鼻薬を長年使っていることが発覚した。鼻閉がよくならないという患者には、点鼻薬を使っていないかどうかを必ず聞いたほうがいい。また、医者にかかっていても、この点鼻薬が長年に出し続ける医者もけっこういるので、その面でも注意が必要だ。この副作用を知らない医者なのか、あるいは患者自身がその薬でないと納得しないため、出し続けているのかもしれない。

月に一人ぐらいは、点鼻薬による薬剤性鼻炎の患者さんを見つける。医者にかかる時間がない、あるいは医者にかかるお金がもったいないと言っている人ほど、無駄な薬にお金を浪費し、鼻閉の症状に苦しむ時間も浪費している。

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