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花粉症患者の特性(今と昔)

[2018.03.31]

花粉症の薬はドラッグストアに行けば簡単に手に入ります。これは今に限ったことではなく、僕が学生だったころから同じです。しかし、今と昔とでは大きな違いがあります。

昔は、ドラッグストアで花粉症の薬を買ったのだけど、眠くなって仕方ないからと、耳鼻咽喉科を受診する人が多かったのです。直接受診する人も多いですが、とりあえず売薬を買って飲んでみた。ところが、眠くなってしかたない。だから、受診したというのです。当時は眠気のでない薬は、医療機関でないと手に入らなかったのです。ですから、そのような薬をだしてあげれば喜ばれました。

今は事情が違います。すぐに医療機関を受診できない人は、ドラッグストアで売薬を買います。それを飲んではみたが、まったくよくならないと受診する人がほとんどです。昔の薬と比べて眠くはならないのです。しかし、効き目がとても弱いのです。そのような人には眠気の副作用は若干でるかもしれませんが、強めの薬をだしてあげれば、喜ばれます。

今の薬は眠気がでないことを重視して開発されています。最近の薬は眠気がでないものばかりです。眠気がでない分、効き目が弱いのです。効き目の弱い薬が、ドラッグストアの店頭に、よく目立つところに、置かれています。ですから、患者さんの多くは、それらの眠くはならないが、よく効かない薬を飲んで、症状がつらいと受診します。特に今年は花粉が多いので、そのような人たちだらけです。

ドラッグストアの薬はけっこう高いので、1か月分ぐらいまとめて薬をもらえば、医療機関を受診したほうが安くすみます。しかもどのような薬が必要なのかを吟味して処方するので、あたりはずれがあまりありません。眠気がでやすい人にはあまり眠くならない薬を、症状がひどい人には強めの薬を。いくつかの薬も重ね合わせながら、適切に薬を選んでいきます。このようなことができるのは、耳鼻科医の技量だと思います。ドラッグストアで買うのは構いませんが、その薬は自分自身で選んで買っているのです。誰もアドバイスはしてはくれません。そのようなことを考慮して、自分で治療を選択してください。

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