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気象病とは何なのか?

[2018.10.03]

気象病について、ある方からメールがきました。返事を書いてだしたのですが、メールがもどってきました。記載されたメルアドが間違っているようです。前にも同じようなことがあり、メルアドがわからないと連絡がとりようもありません。そんなわけで、ここで少し気象病について書かせていただきます。

気象病というのは、本当の病気ではありません。気象状況によって、主に低気圧です、おこる体調の変化を気象病と呼んでいるのです。誰がつけたかはわかりませんが、そのような症状が起こる人たちをまとめて、気象病とくくって呼んでいるわけです。

たとえば、ストレスから起こるいろいろな病気を、ストレス病とよんでいるようなものです。医学事典を調べても、「ストレス病」なるものは載ってはいません。

医者というものは、正式な病名にそって、知識を積み重ねていくもので、「気象病」なる病気が認められていないので、その病気に対する知識も持ち合わせていないということでしょう。ですから、そのような医者に聞いても無駄なだけです。「気象病って何ですか?」というような質問ではなく、「気圧の低下が体調に影響を与えますか?」のような聞き方がいいでしょう。

気圧の低下が、喘息を悪化させる。このことは、喘息の専門の医者であればみんな知っていることです。ただ、それを気象病とは呼びません。喘息と呼びます。喘息という病気のくくりの中で、その治療が語られるのです。

ここ1週間、咳がひどくなって受診する患者が激増しています。その多くが喘息がらみの咳です。つまり、台風による気圧低下で、喘息が悪化しているわけです。気象の変化により、病気が悪化するという観点をもっていると、患者の病状がよくわかります。僕自身は気圧変動の予想をみながら、今後の症状の経過(よくなる、悪化する)を説明しています。少し先を予想する目安になるからです。

喘息のフォローをする上では、この予想が大切です。週末に台風がくるから、喘息が悪化する。それを予期して、ステロイドの吸入の使用量を増やすようにと先回りした指導も行います。

気圧低下で起こる代表的な病気に頭痛もあります。特に片頭痛の悪化が有名です。片頭痛はとてもひどい頭痛ですから、気圧低下で悪化するだろうと予測しておいてください。たとえば、デートをしているときに、ひどい片頭痛で悩まされたらどうしますか?とても困るでしょう。頭痛が悪化しそうなときには、家でおとなしくしているのも賢明な選択でしょう。

だいぶ以前に聞いた話ですが、ドイツでは気圧の変化を天気予報で流しているらしいのです。「今日は気圧が下がりますから、体調不良に気を付けましょう。」みたいにね。つまり、天気予報の花粉予想と同じようなものです。気圧の低下が体調に影響するということが国民に認知されているのでしょう。日本ではここらへんの認知がまだまだです。スギ花粉がとべは鼻水がでると知らない医者はいないと思いますが、気圧の低下がおこると、体調不良が起こるということは知っている医者のほうが少ないのかもしれません。

最後に気圧の低下で起こる症状を列挙しておきます。

頭痛、めまい、耳鳴、耳閉感、咳、喘息、古傷、リウマチの関節痛、いろいろな痛み、血圧変動も、不整脈も、さらに風邪もひきやすいです

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