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抗生剤の選択

[2018.02.18]

開業以来15年間、抗生剤はペニシリン系を使い続けています。使う理由を書くと長くなりますが、よく効いて、耐性菌にを生みづらいからです。

抗生剤の使い方に関しては、医者によりかなり違ってきます。

ペニシリン系の抗生剤というのは、上記利点があるのですが、飲みづらい、下痢が多いなどの欠点もあります。お子さんに抗生剤を飲ませるという観点にたてば、この欠点がめだってしまって、セフェム系抗生剤を出しつづけている医者も多いのです。

セフェム系抗生剤、特に今の最新のセフェム系抗生剤(代表は、フロモックスとメイアクト)は、ほとんど効かないのではないかと言われています。効かない抗生剤なら、そもそも飲まなくてもいいのです。飲まなくてもいいケースにセフェム系抗生剤がばんばん出されているのかもしれません。

日本においては、一番売れているのがフロモックスで、次がメイアクトと言われています。これらを第三(あるいは第四)世代の抗生剤と呼ばれています。どちらも子供用の細粒が発売されています。ほとんど効かないが、日本で愛用されている薬なのです。

効かない一番の理由は、腸でほとんど吸収されないため、体の中に入っていかないようです。量を増やせばそれに伴って吸収量も増えるのでしょうが、今決められている通常量では、まず期待ができないのです。

僕自身の子どもの処方をみると、9割以上がペニシリン系です。これで効かない場合には、メイアクトを処方しますが、その場合には通常の倍量近くでだすことがほとんどです。ペニシリンが効かない段階で、メイアクト通常量で効くはずがないと思っているからです。

近所で、「子どもに飲みやすい抗生剤をだしている」と宣伝しまくっているクリニックがあります。「味がよくて、下痢もすくなくて、量も少ない」そんな抗生剤を、子どものためを思って出していると言いふらしているのです。僕の視点から言えば、それではなおらないと思うし、仮に治るとするならばそもそも抗生剤を飲む必要もないのではないかと思ってしまいます。なおらないほうが、クリニックはもうかるという観点から、あえてそうしているのかもしれませんが。

お薬手帳で、他院の薬をみせてもらうようになると、抗生剤の使い方をどれぐらい真面目にとりくんでいるかがわかります。それにより、その医者の技量もわかります。人気があるのが、「おいしいけど効かない抗生剤をだしているところ」で、人気がないのが「まずいけれど、よく効く抗生剤をだしているところ」です。

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