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急性扁桃炎に点滴を

[2018.04.05]

扁桃炎には点滴がよく効く。

耳鼻科医であれば、だいたい知っていることであると思う。しかし、抗生剤が処方されてよくならないと流れてくる患者が多い。たいていは他のクリニックで、抗生剤を処方されている。一日で3人も抗生剤の点滴をすることになった。

近場の人も多いが、千葉などの他県から流れてくる人も多い。内科の医師であれば、扁桃炎がよくわからなくて、内服薬処方し様子をみるのはよくわかる。しかし、耳鼻科医でも同様の措置で終わりにしてしまい、まったく改善しないために流れてくることも多い。

その理由としては、点滴ベッドがない、看護師がいないなどが考えられる。点滴をすればよくなるのはわかっているのだろうが、自分のところに点滴するだけの環境が整っていないということなのだろう。

以前に某クリニックでバイトさせてもらったことがある。そこの院長は、看護師を置かない主義であった。それでも点滴が必要になると、全部自分で点滴を組み、自分で針をさしてしまう。病院勤めになれた医師であると、看護師がいないと点滴ができないと思っている人もいるが、すべて医師自身がやれば何も問題はないのだ。そこの医師は、最初から最後まで全部自分でやってしまう。採血検査も同様だ。看護師がいないので、採血が必要であれば、採血から検査伝票書きまですべて自分でこなす。点滴、採血件数が多くないので、看護師をおきたくないのかもしれないが、全部医師自身でやれば何も問題はないのである。必要ならば自分で何でもやる。医師としてとても尊敬できる態度であった。

耳鼻咽喉科の専門医である以上は、他の科の医師が手におえないものを治療できなければ存在意義がないものと思っている。他の科の医師と同じレベルの治療をしていてはダメだろう。もちろん逆も言える。耳鼻咽喉科の自分がみても手に負えないものを引き受けてもらえる技量があってはじめて、小児科の専門医、あるいは内科の専門医であろうと思っている。名前だけの専門医では恥ずかしい。耳鼻咽喉科の専門医である以上は、他の科の医師の手におえない病気を診断、治療できるような技術を身につけたい。

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