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急性扁桃炎

[2018.06.10]

急性扁桃炎の原因はA群溶連菌だけであるから、迅速で溶連菌をチェックして陰性だったら細菌感染ではないから、抗生剤は必要ない。このようにはっきり書ききっている医学書がある。特に研修医向けの本に多く、医学に詳しくない研修医が、このような記載を信じてしまう不安がぬぐえない。

見るからに急性扁桃炎できた大人の患者がいた。溶連菌迅速検査陰性。上記ルールに従えば、抗生剤はいらないということになる。さらに追加検査を行った、WBCが14000とかなり上昇している。好中球の率がかなりあがっており、明かな細菌感染である。このような患者に抗生剤を出さずにかえすようなことになれば、患者さんはどれだけ不利益を被るか。その医者を信じていたらまず入院になるだろうし、他の合併症を引き起こす可能性もあるかもしれない。

急性扁桃炎の起炎菌について、何人もの人が調べ上げて論文に書いている。大人の場合は、溶連菌の率は思ったより少ないのだ。むしろ他の菌の可能性のほうが高い。

溶連菌以外の細菌感染の可能性も考えなければならないことは、臨床経験の豊富な医師であれば、十分に理解しているに違いない。まだ経験の少ない研修医向けに、間違えを誘導するようでは問題が大きいだろう。

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