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心疾患

[2018.07.27]

聴診器を使う医者は珍しい。開業し子供をみるようになってから、聴診器を使うようになった。とは言っても、ほとんどが喘息の喘鳴や異常呼吸音を確認するために使っている。子供はすぐに気管支炎や喘息を起こしやすく、その確認のために聴診器を用いているのだ。聴診器にはもう一つ使う目的がある。それが心音だ。はっきり言って、心音の確認は苦手である。心臓音はあまり聞くことなく今まできてしまった。心臓の音に対しては常に苦手意識を持っていて、異常な音の確認はできないものだとずっと思ってきた。

軽いめまいを主訴に受診した患者がいた。内科の医師にみてもらい、不整脈を疑われホルター心電図をする予定だそうだ。たしかに不整脈と言うのはめまいの原因になる。不整脈がないかどうかを確認するのは大切だと思う。その患者は、狭心症も疑われているようだ。冠動脈を拡張するニトロ製剤もでていた。夜中に具合が悪くなり、ニトロ製剤を内服したが、よくならなかったそうである。狭心症は考えづらいのかもしれない。

念のため、心音を聞いてみた。心臓は苦手で、今まで聴診をすることはほとんどなかった。かりに拍動音を聞いても、正常の音しか聞いたことがない。聞いてもわからないだろうなと思ったが、実際に確認した。何かが違う。普通の心音とは違う。ドクッドクッという聞きなれた音とは何かが違う。心音だけででは自分で診断できない知識がもどかしいのではあるが。かなりの高齢者であるため、心臓弁の異常があるのではないだるうか。それによるめまいか。

心疾患によるめまいではないか。このような判断のもと、循環器専門の医師に紹介させてもらった。まずは心エコーが必要ではないか。思い過ごしであればいいが、心臓疾患によるめまいであれば、かなりやばいことになりかねない。内科の医師が何も指摘しなかったということであれば、自分の思い過ごしかもしれないのだが。念には念をいれるべきであろう。心疾患の見逃しは、命にかかわってくるので。

心音をもう少し勉強しておけば、自信をもって判断できるのにと反省しきりである。

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