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小児科医にも耳鼻咽喉科の知識を

[2018.06.27]

小児科と耳鼻咽喉科、若いころからどちらかを選び、それぞれの診療科の中で学ばなければならない。小児科を選べば、小児科の病気しか教えてもらえない。耳鼻咽喉科を選べば、耳鼻咽喉科の病気しかまなべない。

小児科のクリニックには、中耳炎、副鼻腔炎などの病気の子供がおしよせる。耳鼻咽喉科領域の病気の知識が乏しい中で、診療しているのが現実である。耳鼻咽喉科のクリニックも同じである。通ってくる患者の半分近くは、小学生以下の子供なのだが、小児科の病気に対する勉強をしないで、それらの患者をみている。小児科の医師は、耳鼻咽喉科の病気のことをもっと勉強すべきだし、その逆も言える。

このような問題に開業してすぐに気づき、近くの大学病院小児科に勉強させてもらいに行った。週に2回ほど、外来診療を中心にさまざまなことを学んだ。開業してからの研修であるから、日々わからないことを大学病院の小児科の先生に質問する。わからないことはいくらでもでてくるので、その都度多くの質問をさせてもらった。そこで学んだことは今の自分の基礎力につながっている。そのとき、その病院の小児科の先生たちにはとてもお世話になった。嫌な顔をせず、いろいろと教えてもらったことは、今もとても感謝している。

その後、多くの小児科医を雇うようなり、機会があればその都度耳鼻咽喉科の病気についても指導するようにしている。ただ、適切な患者が来ないと何とも教えようもないので、患者次第になってしまう。実際に適切な患者が来ても、自分あるいは、小児科の医師が忙しければ、説明のタイミングも逃してしまう。

潟山亮平先生は、開業直前の2か月間、当院に診療に来てくれた。その間に耳鼻咽喉科の病気を勉強してもらいたいと、主に鼓膜所見について、直接鼓膜を除いてもらって、「急性中耳炎」「鼓室内貯留液」などの違いについて、実際の鼓膜を見ながら指導させてもらった。鼓膜の状態の判断はなかなか独学では難しく、耳鼻科医に教えてもらうのが一番手っ取り早いと思う。

しかし、小児科と耳鼻科の壁は厚く、そもそも両科の壁を越えて話ができる機会は、開業医にはほとんどない。開業の小児科の先生たちには、ぜひ耳鼻咽喉科の病気のことを学んでほしいと思っている。自分の診療時間であれば、小児科医の医師の見学などは随時受け付けているので、興味あるかたはメールでもください。いつでも歓迎しますし、また小児科の診療をしてくれる医師も募集をしています。

なお、上記潟山先生は7月から川崎市で開業します。今週末に内覧会も行うようです。自宅から近いという患者さんがいれば、潟山先生のクリニック(にじいろ子どもクリニック)をよろしくお願いたします。

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