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医療の言葉

[2018.04.10]

手話通訳士という立場から、医療で使われる言葉にはとても敏感である。常に、医療の言葉を反省している。

医療専門用語が伝わりづらいと思うかもしれない。しかし、専門用語であれば、医者も患者も、それが難解な言葉であるとわかっているので、逆に誤解は少ないのだ。かえって、よく使うような言葉のほうが誤解を生みやすい。実は、「医療の言葉」をテーマにしたブログもずっと書いている。そっちは読者はあまりいないのだが、せっせと書き続けている。それ自身が自分の備忘録のような意味合いもあるからである。

本日診療していて思わず使ってしまった言葉。

「点滴のメニューは明日も同じのにしましょう。」

メニューという言葉を聞いて、患者はどう思うだろうか?ここはレストランか?とつっこまれるかもしれない。このメニューは、点滴の中の薬の種類のことである。医療従事者はこのような使い方をするのだとしかいいようがない。

「風邪をひいているので、声はださずに安静にしてください。」

この安静というのは、寝ていることではない。その部分を使うな、動かすなという意味である。上記で言えば、声帯をうごかさず、あまり声をだすなという意味である。

このような言葉の違いは、医療用語の特性を知らない人には伝わりづらい。医療従事者は思わず使ってしまうが、患者に誤解される場合もありうるのである。

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