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上半規管裂隙症候群

[2018.07.29]

最近耳鼻咽喉科領域で、「上半規管裂隙症候群」という新しい疾患概念をよく目にするようになってきた。めまいの病気なのかなと、あまり詳しくは知らないでいた。つい先日、耳を専門にする耳鼻咽喉科先輩医師よりメールがあった。この病気は、耳がつまるという症状で受診することが多く、メニエール病や耳管開放症と診断されてしまうことが多いということであった。その先生のところでは、すでに30人ぐらい診断しているそうだ。今までまれだと思われていた病気だったのだが、実際は診断がつかなかっただけで、けっこうこの病気の人はいそうである。僕自身も当然見落としている人がいるのかもしれない。簡易的な手術で治せるようなので、見落としは患者にとって、とても不幸なことであろう。

三半規管というのがある。3本のリング状の形をなす、平衡バランスにかかわるところである。中耳炎などで外側半規管に穴が開き、めまいの原因になることはよく知られている。この病気は、上半規管のカバーがとても弱く、圧力が加わるとめまいなどを誘発する病気だそうである。耳に圧力をかけたり、息こらえなどをさせることにより、異常な反応がでるかどうかで診断できるそうだ。中耳のCTも参考になるようだが、かなり細かなスライスでとる必要があるようなので、最初からこの病気を疑わないとCTでの確認も難しいのかもしれない。

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