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行き詰ったら、別の視点から

[2018.08.07]

耳鼻咽喉科の診療を常にしていて、この患者を診断できない、治せないというジレンマに陥ることがよくあります。そのようなときは、耳鼻科医の立場を離れて、別の立場から患者をみます。そのようにすると、視界が開けることが多いのです。僕の診療は常にそのようなスタンスで新しい道を切り開いています。

具体的な例を書いていきます。

咳の患者がきます。耳鼻科医の視点からみれば、副鼻腔炎による後鼻漏か、あるいは上気道炎(風邪)が咳の原因であろうと考えます。多くの耳鼻科医はこの視点から逃れられません。必ず耳鼻科の中に答えを見つけようとするのです。僕自身は、耳鼻科の病気ではなく、他の科の病気の中に正解を見つけようとしました。その結果、なかなか治らない咳の原因のほとんどが咳喘息であるという結論にいたりました。呼吸器科の視点で、気管支喘息について深く勉強し、そう思うようになったのです。これにより、多くの患者が次々と治っていきました。

歯科医の視点でみることもあります。耳痛で受診する患者がいます。耳の中をみてもどうしても原因がわからない。顎関節の痛みを疑いました。顎関節とはなんだろう、どのような症状がでてくるのだろう。歯科の分野を勉強しました。その結果、耳が痛いと訴える患者の中に、けっこうな率で顎関節及び周囲の筋肉痛を訴えている患者の区別ができるようになりました。

耳鼻咽喉科医ではありますが、耳鼻咽喉科の周辺領域、つまり歯科、呼吸器科、消化器科、精神科、眼科、脳神経外科、神経内科、小児科、皮膚科、産婦人科などの幅広い領域を勉強することにより、今までわからなかった病気の対策がとれるようになってきています。自分の診療の特長を一言で言えば、耳鼻咽喉科にからむ多くの領域にかなりの知識をもっているということです。それをえるためには、もっぱら耳鼻咽喉科以外の勉強ばかりしています。

何もこれは医学に限ったことではありません。たとえば幕末。日本の将来に行き詰まりを感じた人たちは、海外に目をむけ、海外のいいところを取り入れてきました。クリニックのスタイルも同じです。クリニックの経営に行き詰れば、医療以外の分野の勉強します。医療の目から見ていては思いつかないような発想がでてくるのです。先日も、左官屋の会社の社長さんの講演を聞いてきました。医療の世界にはないような発想が多数ありとても勉強になりました。

行き詰ったときに、どれだけ多くの別の視点にたてるかが大きいのです。そこに突破口を見出せます。

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