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耳垢をとる

[2018.03.25]

子どもの耳を診て、急性中耳炎を見逃すな。

小児科の先生や、子どもを診ている先生たちにはぜひお願いしたいと思っています。

某先生から相談されました。子どもの耳垢をとったら、傷をつけて出血させてしまった。その際に、耳鼻科に送ったら、とても非難されたというものです。

専門外の先生なのですから、耳鼻科の医者よりも技術が落ちるのは当たり前です。耳鼻科医だって、僕だって、子どもの耳を傷つけて出血させてしまうことはあります。傷がついて出血しても、それは時間がたてば治りますから、そんなに恐れる必要はありません。心配であれば、耳鼻科に紹介してみてもらえばいいでしょう。ほとんど問題ないと思います。

ただ、そこで後からみた耳鼻科医が、「専門ではないのに余計なことをするな」と言ってはいけません。僕は小児科の先生たちに、どんどん鼓膜をみて、急性中耳炎を見つけてもらいたいと思います。耳垢があって、見られない場合はがんばってとってください。万が一出血させるようなことがあれば、こちらに紹介してもらえれば、こちらで後始末はつけます。非難されるといやだからなどと考えないでください。患者のために努力してやって、何で非難されなければならないのでしょうか。むしろ、そんなことで萎縮しないでください。何かあれば、耳鼻科の専門医があとは引き受けます。

耳垢をとるのが怖いからと言って、鼓膜が見えていないのに、「中耳炎はない」と言い切ってしまうほうが、どれだけ患者に不親切か。耳垢で見えなければ耳鼻科に回してくれれば、こちらで判断して、患者を返します。

近くの小児科で、急性中耳炎を疑うと当院に紹介してくるところがあります。たいていは耳垢があって鼓膜が見えないのです。鼓膜を確認し、膿がたまっているような状態であれば鼓膜切開までこちらで行います。中耳炎がなければ、「急性中耳炎はありませんでした。」と耳掃除後に、紹介先の小児科にお返ししています。小児科の医師が不得手なところは紹介してもらえれば、そちらの要望に応じて対応します。逆に、こちらからも小児科の医師に診てもらったほうがいい場合は、そこの小児科によく紹介しています。

開業医というのは、得て不得手があるし、設備の有無もあります。すべてを一つのクリニックでこなせるものでもありません。それぞれのクリニックの弱点は紹介しあうことでカバーできるでしょう。

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