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抗生剤の使用について

風邪はウイルス感染だから、抗生剤はいらないと言い切る医師がけっこういます。たしかに、風邪の初期には抗生剤はきかないのです。ただ、小さなお子さんの場合は、細菌に対する免疫が十分ついていませんから、風邪のウイルスをきっかけにさまざまな細菌感染を引き起こします。急性中耳炎、鼻副鼻腔炎などは小さなおこさんにとても多いのです。このため、どうしても抗生剤を使っていかなければ、その細菌をたたいていくことはできません。

一時期、メイアクト、フロモックスなどの第三世代セフェム系抗生剤が重視されましたが、これらの抗生剤は血中への吸収が悪く効きづらいのです。このために、耐性菌をかなり誘発します。耐性菌を生み出さないようにという観点から、今はペニシリン系抗生剤を出すことが多くなりました。当院では、ワイドシリン、クラバモックスを中心に処方しています。

オラペネム、オゼックスなどの抗生剤は、現段階では最後の秘密兵器です。どうしても他の抗生剤が効かないような場合に、最後の切り札として使うべきだと思います。よく効くからという理由で、これらの抗生剤を連発しているクリニックをけっこう見かけます。多く使うことにより耐性菌を誘発します。そうなると、切り札の抗生剤を失ってしまうことになるのです。当院では、どうしても他の抗生剤で菌をたたけない場合に限定して使用するようにしています。

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