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咳喘息

呼気NO検査装置(初代、二代目)

咳喘息というのは、気管支喘息のようにヒューヒューした(喘鳴)も聞こえず、息が苦しくならないタイプの喘息です。ひどい咳と痰が主な症状です。風邪のあとに、咳や痰がとまらないと、咳喘息を発症することが多いのです。当院には毎日4~5人は咳喘息の患者が受診します。その多くは、他院で風邪だと言われて風邪薬をだされてよくならないケースです。

主な症状

  • のどの違和感

咳喘息は痰がでないと医学書に書いてありますが、むしろ痰が多いほうが普通のように思います。黄色い痰の場合はそこに細菌感染が加わり気管支炎も合併しています。咳喘息の痰は白くてネバっとしています。

診断

 吐く息の中に含まれる微量な物質一酸化窒素が、喘息のときに増えることが知られており、それを測定することで、一発で診断ができます。呼気NO測定装置を使っています。

治療

 ステロイドの吸入薬がよく利きます。気管支拡張剤とステロイドの合剤を用いて治療をします。あまりに咳がひどくて夜が眠れないような場合には、ステロイドの内服を最初に短期間使います。

 咳喘息は患者数がとても多いのですが、一般的にあまり知られておらず、風邪の咳だと言われていつまでも咳がおさまらないまま放置されていることが多いのです。ひどいケースだと、2か月にわたり咳止めだけを出し続けてこられた患者もいました。

予後

 喘息は、慢性のアレルギー性炎症です。このため完治することはありません。しかし、咳がでないようにコントロールすることはできます。咳がとまったら、一度治療を終了し、再度咳がではじめたら治療を再開することにしています。

 書物によれば、咳喘息の3割は本格的な気管支喘息に移行すると書いてあります。咳喘息の進行が気管支喘息ととらえられているようです。僕自身は、これに疑問を持っています。咳喘息と、気管支喘息は、そもそも別の病態ではないかと思っています。僕自身の例でなんですが、若いころは喘息発作がよく起こっていました。そして今、喘息発作による呼吸困難は起こらなくなりましたが、風邪のあとに喘息による咳だけがでてきます。咳喘息が進行したものが気管支喘息なのであれば、このような逆転は起こらないはずです。

 ウイルスなどによる局所的な気管支の刺激で咳がでるものが咳喘息であり、気管支喘息は発作的な気管支の収縮であり、起こるきっかけは違うのだろうというのが、自分の仮説です。

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